「あなたへ」を読んで
高倉健さんが主演した映画の小説としか知らず、読了。一気に読みました。
癌で妻を亡くした刑務所の技術官が主人公。
その妻からの遺書が1通届き、もう1 通を取りに遠くの港町(妻の故郷)まで行くように書かれていました。そして、そこで散骨して欲しいと。妻と旅行しようと、用意していたキャンピングカーで、港町へ向います。
数日間の旅の中で、心に傷を持つ人達と出会い、妻を思い出しながら、港町へ近づいていきます。
妻のイタズラは、主人公を外の世界へ無理やり向かわせるものでした。
散骨する時に、『命とは、時間のことだ』
と気づきます。
時間を大切にすることは命を大切にすることだと。
妻は余命6ヶ月といわれ、治療でその命である時間を削りながら、最後の時を過ごしました。
私の生きられるのは、私の人生だけなのだ。そう思った時に、妻のいない未来に色彩が広がったような気がした。